Webroot SecureAnywhere Essentials 2012
今話題のクラウド技術を採用したセキュリティソフトのWebroot SecureAnywhere。
インストールに必要な空き容量が少なく、メモリ消費量の少なさはダントツです。
そのおかげで動作は非常に軽く、
セキュリティソフトを導入していることを忘れてしまいそうになります。
ただし、高価なソフトにもかかわらず機能が少なくて、
さらにウイルス検出が全く良くないという製品です・・・。
価格 | フィッシング対策 | 個人情報保護 | 有害サイトブロック | WEBサイト 安全評価 |
ファイアーウォール |
7,560/1年3台 | ○ | × | × | ○ | ○ |
電話サポート | 迷惑メール防止 | パソコン最適化 | レスキューCD作成 | バックアップ | ゲームモード |
毎日10:00-19:00 | × | ○ | × | ○ | × |
軽さはウイルスソフトの中で一番!?
Webroot SecureAnywhere Essentialsの特徴は、何と言っても軽さにあります。
他社製品のウイルスソフトは300MB以上の容量を必要としますが、
公式ページによると、このWebroot SecureAnywhere Essentialsの場合は、たったの4MBです!
しかし実際にインストールしてみると、ウイルスソフト本体の容量はたったの694KBでしたが、
バックアップ機能を利用するときの専用ソフトをインストールすると、合計約96MBほど必要になります。
公式ページの表記と実際に必要とする容量が違うのは少しまずい気がしますが、
他社製品と比べても必要とする容量はかなり少ない方です。
それでは、なぜそのようなことが可能なのか?
通常セキュリティソフトの場合ウイルスを検出するのに、
既出のウイルス情報をまとめたウイルス定義ファイルというものを参照して行います。
そのウイルス定義ファイルはハードディスクの容量をたくさん消費します。
しかし、このWebroot SecureAnywhere Essentialsはクラウド型ウイルスソフトですので、
ウイルス定義ファイルを必要とせず、ウイルス情報はその都度ネットから取得します。
したがって容量が軽いというわけですね。
さらに、バックグラウンドで待機中の時のメモリ消費量も、
だいたい800KB~2.3MBほどの間でかなり少ないです。
第2のウイルス対策ソフトとしても使える!
通常セキュリティソフトは1台のパソコンに1つしかインストールできません。
しかしこのWebrootは他のセキュリティ製品と競合することはありませんので、
他のセキュリティソフトと組み合わせて使用することが出来ます。
Webroot SecureAnywhere Essentials 2012のレビュー!
アメリカのコロラド州に本社を構えるWebroot社は、Spy Sweeperというスパイウェア対策ソフトが高性能で有名でしたが、
イギリスのSohos社のアンチウイルスエンジンを搭載したウイルス対策ソフトを開発しました。
それがWebroot SecureAnywhere Essentials・・・
↑ 軽くてシンプルでわかりやすいです。
以下セキュリティソフトの各評価機関の最新データと、管理人独自の検証テスト結果です。
(評価機関が検証したのは、上位版のWebroot SecureAnywhere Complate 2012です。)
管理人独自のセキュリティソフトの検証結果 | ||||
起動時間 | PCMark 7 (Build 1.0.4.0) |
CrystalMark 2004R3 | ネット回線速度 (下り) |
ネット回線速度 (上り) |
52.4秒 | 1282 | 83483 | 74.99Mbps | 19.72Mbps |
ウイルスを発見できた数 | ウイルス感染を防げた数 | 使いやすさ | ||
35 | 35 | 軽いだけ |
AV-comparative.orgによる主要テスト結果 | |||||
テスト名 | Real-World Protection Test |
File Detection Test | Heuristic / Behaviour Test | False Alarm Test | Performance Test |
実施月 | 2012年6月 | 2012年3月 | 2012年3月 | 2012年3月 | 2012年6月 |
評価 検証結果 |
Tested 90.9% |
Standard ★ 98.2% |
Not Included | 428 false alarms. (20位/20製品中) |
Advanced+ ★★★ 187.8/200 |
AV-TESTの家庭向けセキュリティソフトのテスト結果 | ||||
2012年6月 | ||||
Protection | Repair | Usability | Total | 認証 |
5.0/6.0 | 5.0/6.0 | 5.5/6.0 | 15.5/18.0 | ○ |
Matousecのセキュリティソフトの検証結果 | |
ファイアーウォールの防御率 | 6% |
軽さについて
動作はホントにめちゃめちゃ軽いと言えるでしょう!
検証機関の評価を見ていくと、
AV-ConparativesのPerformance Testでは、
評価されたウイルスソフトの中で一番いい成績を収めました。
またAV-TESTのパソコンにインストールすることによって日々の動作に影響する時間が、
各社ソフトの平均値が10秒に対して、Webrootはわずか2秒という驚異的な影響の少なさです。
当サイトの独自の検証テストを行った結果、
5回再起動しての平均時間が52.4秒のダントツの1位でした。
CrystalMark 2004R3は良い方ですし、
PCMark 7のスコアもセキュリティソフトをインストールしていないときと比べても、
そこまでスコアは落ちていませんし、ネット回線もほとんど影響を受けていないと言えます。
以上総合的に考えると、
Webroot SecureAnywhere Essentialsは
他社競合製品を寄せ付けないほどの軽快なセキュリティソフトと言えます!
マルウェア対策
肝心のマルウェア対策なんですが、
何のためのウイルス対策ソフトなのかと思ってしまうほどひどい結果です。
まずAV-Comparativesの感染阻止率を検証するReal-World Protect Testでは、
評価された製品の中でワースト1位の約91%というひどい結果でした。
さらに誤検出数があまりにも膨大のため、
ウイルス検出テストでもStandardという評価になっています。
しかしながらAV-TESTでは良い評価が下されていて、
”Protection”は5.0/6.0点、”Repair”は5.0/6.0点という評価です。
さて、ここから管理人独自の検証結果です。
まず99個のウイルスが入っている検体フォルダのスキャニングを行い、
いくつ発見できるのか検証したところ、
たった35個しか検出できず、感染を阻止できる数も同様の35個だけでした。
基本的にAndroid系のウイルスは検出できないのは別に良いのですが、
非常に脅威的なウイルスをちょっとしか発見できないというのは
ウイルス対策ソフトとして欠陥があるのではと感じてしまいました。
AV-TESTの検証結果が良いのが少し謎ですが、
管理人の独自の検証やAV-Comparativesの検証データを組み合わせて考えてみると、
ウイルスから身を守ってくれるソフトとしてはあまりにも頼りなさすぎる印象を受けました。
ファイアーウォール
スパム対策、有害サイトブロック、個人情報保護
今時のセキュリティソフトになら備わっているスパム対策や、
ペアレンタルコントロール機能、個人情報保護機能は、
このソフトには備わっていません。
価格設定が高めのソフトにもかかわらず、
こうした機能が備わっていないというのはかなり残念です。
WEBサイト評価機能
WebrootにもWebサイト評価機能は備わっています。
試しにGoggleというキーワードで検索をかけたところ、画像のような結果になりました。
、危険なサイトとして有名なGoggleというサイトにアクセスしようとしても止められることはありません。
つまりWebrootの機能はただ評価するだけで、アクセスを制限することはないようです。
バックアップ機能
Webroot SecureAnywhere Essentialsにはクラウド上にバックアップできる機能がついております。
バックアップマネージャーをインストールすると、
マイドキュメントフォルダに自動的に”マジック ブリーフケース”という名前のフォルダが作成されます。
ここのフォルダにOfficeファイルや画像などバックアップしておきたいファイルを入れると、
自動的にバックアップサーバーと同期してアップロードしてくれます。
この仕組はあの有名なDropboxと一緒ですね。
個別にバックアップする場合は、専用ファイルマネージャーを使ってアップロードすればOKです。
しかしこのツールはUSBの外付けハードディスクを認識しないので注意が必要です。
パソコン最適化機能
Webroot SecureAnywhere Essentialsにはパソコン最適化ツールとして、
ブラウザのキャッシュファイルや、OSの一時ファイルなどの不要なファイルを削除して、
ハードディスクの空き容量を増やしてくれるシステムクリーナーが搭載されていますが、
これを使ってはいけません!
管理人がこのツールを使用した直後、Firefoxのウェブページの表示がおかしくなってしまい、
直し方がわからずじまいでした・・・・。
Webroot SecureAnywhere Essentialsのダメなところ
バックアップ機能が使いやすい点と軽いという特徴以外に
いいところがないというのがダメなところでしょう。
そして値段が高すぎですし、
最適化機能を使うとおかしくなってしまうという時点でダメですよね・・・。
ウイルス対策が弱すぎる・・・
どれだけ軽くても、どれだけ快適に動いても、
基本的なウイルス対策が弱いウイルスソフトなんて意味がありません。
まして1年間で7000円以上支払ってこの性能じゃダメだと思います。
セキュリティレベルが高いソフトへと生まれ変わってほしいですね。